
バナナの皮をむけば農薬は大丈夫?



子どもがバナナをよく食べるけど本当に安全なの?
このように悩んでいませんか。スーパーでバナナを選ぶ際、バーコードやシールに書かれた数字で農薬の有無がわかるといった情報を見かけることがあるでしょう。実はこの情報、半分本当で半分は注意が必要な点もあります。
この記事では、バナナのバーコードやシール情報の正しい見方から、農薬の心配を減らすための具体的なバナナの選び方を解説します。本記事を読めば、明日からのバナナ選びに自信がつき、家族みんなで安心しておいしいバナナを楽しめるようになりますよ。ぜひ参考にしてください。


バナナのバーコードとPLUコードの基本


バナナの安全性を気にするうえで知っておきたいのが、商品につけられたバーコードやシールに記載されている「PLUコード」です。一見するとただの数字の羅列に見えますが、実はバナナの栽培方法に関する重要な情報を含んでいる場合があります。
順番に解説します。
PLUコードとは果物・野菜専用のID番号
PLUコード(Price Look Up code)は、主に生鮮果物や野菜に対して国際的に使用されている商品識別コードです。レジでの価格読み取りをスムーズにするだけでなく、消費者が栽培方法の違いを識別する手がかりにもなります。
PLUコードの付与は、国際青果物標準化連盟(IFPS)という国際的な組織がおこなっており、世界共通の基準で運用。一般的に4桁または5桁の数字で構成されています。



しかし、PLUコードは任意表示。法的な義務はないため、すべての果物や野菜についているとは限りません!
PLUコードはただの番号ではなく、生産方法を一目で識別できる国際的な仕組みです。買い物の際には、ぜひコードをチェックして、より安心・納得のいく選択をしてみましょう。
バナナについている13桁JANコードとPLUコードの違い
JANコードは「どの商品か」を示す管理番号であり、PLUコードは「どう育てられたか」を示す栽培番号のため役割がまったく違います。
JANコードの最初2桁または3桁は国コードを表し、日本は「45」または「49」から始まります。在庫・会計管理のために使われるだけで栽培法はわかりません。



JANコードには標準タイプ(13桁)と8桁の短縮タイプが存在!小さな商品には8桁の数字が印刷されています。
スーパーでは、バナナの個包装や袋にJANコードが印刷され、バナナ自体にはPLUコードのシールが貼られる形で併記される場合が多いです。JANコードは商品管理番号、PLUコードは消費者のための栽培表示だと覚えれば、バーコードで迷わず安心できるバナナが選べるでしょう。
【早見表】PLUコード数字でわかるバナナの栽培方法


バナナのシールに記載されたPLUコードの数字を確認すると、そのバナナが慣行栽培か有機栽培かを簡単に見分けられます。見分け方の例は以下のとおりです。
コード | 例 | 生産方法 |
---|---|---|
先頭が「3」または「4」で始まる4桁の数字 | 4011 | 化学肥料や農薬を使用した慣行栽培(いわゆる普通の栽培方法)によって生産 |
先頭が「9」で始まる5桁の数字 | 94011 | 有機栽培(オーガニック)で生産 |
先頭が「8」で始まる5桁の数字 | 84011 | 以前は遺伝子組換え作物(GMO)用 現在は未使用で将来の分類用 |
遺伝子組換え(GMO)表示については、日本では表示義務のある食品が定められていますが、バナナは現在のところ主な対象ではありません。



「8」で始まるコードがGMOを示すという情報を目にしますが、現在のところ正確な情報ではないです。
PLUコードの数字を見るだけでバナナの栽培方法に関する情報を素早く把握できるため、あなたの基準に合った商品を選択できるでしょう。IFPSの公式サイトでは、PLUコードを検索してその詳細を確認できますよ。
バナナに使われる農薬の種類と影響
バナナ栽培では、病害虫対策・安定した収穫・長距離輸送に耐える品質保持のため、いくつかの農薬が使用されます。これらの農薬について理解を深めると、より安心してバナナを選べるでしょう。
それぞれ解説します。
バナナ栽培で使われやすい農薬の種類
バナナ栽培では、安定した生産と品質保持のため、さまざまな農薬が使用されることがあります。主に使用される農薬をまとめました。
上記のような農薬が使用されていますが、バナナを含む果物の農薬は皮に集中しているため、皮をむけば 8~10 割程度が除去されると報告されています。
バナナには農薬が使用される実態があるものの、食べる前に皮をむく簡単な一手間によって、農薬摂取のリスクを大幅に減らすことが可能です。
農薬が人体や環境に与える影響
農薬の使用は、種類・量・暴露の仕方によって私たちの健康や環境に影響を与える可能性があります。
人体への影響としては、一部の農薬について神経系への影響・ホルモンバランスを乱す内分泌かく乱作用・発がん性の可能性などの指摘も。 環境面では、農薬の散布による土壌や水質の汚染、ミツバチのような益虫や他の野生生物への影響も懸念される点です。
しかし、国内で販売されるバナナは食品衛生法に基づき各農薬の残留基準値が設定されており、ADI(一日摂取許容量)を考慮して管理されています。
皮に付着しやすいポストハーベスト農薬も皮をむくと摂取する量を大幅に減らせます。農薬の種類や影響について正しく理解し、有機JASマークの確認や家庭での適切な処理をおこなうとリスクをより効果的に低減できるでしょう。
農薬リスクを減らすバナナ選び方は表示・マーク・価格をチェック!


PLUコードの数字がわからなくても、あるいはシール自体がなくても、農薬の心配を減らすために注目したいポイントがあります。
順番に説明します。
PLUコードで栽培方法を見分ける
まず基本となるのがPLUコードの確認です。バナナにシールが貼付されている場合は、その数字をチェックしましょう。
- 「9」で始まる5桁のコード(例:94011)であれば有機栽培
- 「3」または「4」で始まる4桁のコード(例:4011)であれば慣行栽培
PLUコードの情報を知っているだけでも、栽培方法への意識が高い商品を選びやすくなります。
有機JAS・フェアトレード等の認証マークを確認する
PLUコードがない場合にチェックしたいのが「有機JASマーク」や「フェアトレード認証マーク」の第三者機関による認証マークです。
「有機JASマーク」は、農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として生産された食品であることを示し、国が定めた厳しい基準をクリアしたものにつけられます。
「フェアトレード認証マーク」は、開発途上国の生産者に対して公正な取引条件を保証し、持続可能な生産を支援する製品につけられます。
多くの場合、環境への配慮や農薬使用の削減に取り組んでいる農園が対象です。有機JASマークやフェアトレード認証マークがあるバナナは、農薬の心配を軽減し、安心して選べるでしょう。
価格帯や見た目から品質を推測するポイントをおさえる
価格や見た目も、品質を推測するうえでのヒントになります。一般的に、有機栽培や特別な栽培方法で育てられたバナナは、慣行栽培のものに比べて価格が高くなる傾向があります。あまりにも安価なバナナは、大量生産を優先した栽培方法である可能性も。



見た目では、皮の色つや・傷の有無・ヘタの状態などをチェックしましょう!
不自然に長持ちするバナナや、色がきれいに均一すぎるバナナのなかには、多くのポストハーベスト処理が施されている可能性も否定できません。
ただし、これらはあくまで推測の範囲であり、価格や見た目だけで農薬使用の多寡を断定するのは難しい点を理解しておきましょう。
バナナの表示ラベルをチェックする
バナナの袋やパッケージに貼られている表示ラベルも重要な情報源です。原産国はもちろんのこと、商品によっては「農薬不使用」「減農薬栽培」といった栽培方法に関する情報が記載されている場合があります。



筆者も買い物の際はパッケージのチェックを欠かしません!
国産バナナの場合は、生産者名や地域名が記載されていることもあり、生産者のWebサイトなどで栽培方法に関する情報をえられることもあります。
バナナを購入する際には、細かな情報も見逃さずにチェックする習慣をつけるとよいでしょう。
バーコードがない・数字が読めない場合の対処法


店頭でバナナを選ぶ際、PLUコードのシールが見当たらない、またはシールがあっても数字が不鮮明な場合でも、農薬の心配を減らすために確認できるポイントがあります。



PLUコードのシール貼付はすべてのバナナに義務づけられているわけではなく、国産バナナや量り売りのバラ売りバナナなどでは任意です。
PLUシールがない場合、商品の棚札や、バナナが入っていた段ボール箱の側面に記載されているロット番号や商品情報を確認してみましょう。生産者やメーカーのWebサイトで栽培方法に関する情報が公開されていることもあります。
情報がえられない場合でも、バナナの色艶・ヘタがしっかりしているか・皮にハリがあるかなどの外観を観察すると、鮮度やおおよその品質を推測する助けになります。
PLUコードが直接確認できない状況でも、他の表示情報を探したり、バナナ自体の状態をよく見たりすると、より安心してバナナを選ぶための判断材料を集められるでしょう。
子どもも安心なバナナのアレンジ方法


バナナは、ひと工夫することで子どもにも安心して楽しめる栄養豊富なおやつになります。そのまま食べてももちろんよいですが、一工夫でよりおいしく手軽に、そしてアレルギーにも配慮した食べ方が可能です。
たとえば、バナナの皮に現れる黒い斑点(シュガースポット)は、バナナが熟して糖度が上がっているサインであり、甘くておいしい状態です。
シュガースポットが出たら、バナナをペースト状にしてから製氷皿などで冷凍しておけば、忙しい朝にもヨーグルトに混ぜたり、スムージーに加えたりと手早く活用できます。一口大にカットして凍らせらば、手軽なバナナアイスとして子どもも喜んでくれるでしょう。



バナナの保存に適した温度は15~20℃!常温での保存が基本ですが、熟しすぎた場合には冷凍保存が便利ですよ。
ごく稀にバナナでアレルギー反応が出る子どももいます。心配な場合は、加熱するとアレルゲン性が低減することがあるため、焼きバナナや蒸しパンなどに加工するレシピを試してみるのもよいでしょう。
バナナは工夫次第で、安心しておいしく楽しめる万能な果物です。保存や調理の工夫を取り入れて、子どものおやつタイムをもっと楽しいものにしましょう。
育児ママの筆者オススメ!安心・手軽でおいしいバナナ5選


農薬や栽培方法に配慮しつつ、おいしく食べられるバナナブランドを5つ紹介します。スーパーでも購入しやすいバナナなので、ぜひ参考にしてください。
それぞれ見ていきましょう。
ファーマインド|有機栽培バナナ


「ファーマインドの有機栽培バナナ」は、化学的に合成された農薬や肥料、遺伝子組換え技術を使用せずに有機JAS認証の基準で栽培されています。



栽培地はメキシコの厳選された契約農園で、土壌や水質管理も徹底されているんです。
自然の恵みを最大限に活かした栽培方法によりミネラル豊富な土壌で育ち、甘みとコクのバランスが取れた風味豊かな味わいが特徴です。
日本到着後は専用設備「室(むろ)」で温度・湿度などを調整しながら熟成され、おいしい状態で店頭に並びます。全国の主要スーパーマーケット、一部オンラインストアで購入可能です。
ファーマインドの有機栽培バナナは、農薬や化学物質が気になる人・子どもやご年配の方にも安心して食べてもらいたい人・毎日の健康習慣に自然な甘みを取り入れたい人にオススメです。
ユーコープセレクション(パルシステム)|フェアトレードバナナ
生活協同組合パルシステムが提供する「フェアトレードバナナ」は、生産者を支援するフェアトレード認証と有機JAS認証を併せ持つバナナです。



ペルー北部のラ・マタンサという町で栽培。年間を通じて乾燥し、昼夜の寒暖差が大きいため、甘みのあるバナナが育ちやすい環境なんです!
栽培においては化学合成農薬や肥料を使わず、自然環境と生産者の健康に配慮。豊かな甘みと爽やかな酸味のバランスが絶妙な味わいです。
パルシステムの個人宅配サービスを通じて購入可能で、会員登録後に自宅まで届けてもらえます。子どものいるご家庭にもオススメできる信頼性の高いバナナです。
フェアトレードバナナは、食の安全性にこだわる人・フェアトレードなど社会貢献に関心のある人・子どものいる家庭や忙しい方で個人宅配を活用したい人にオススメです。
スミフル|有機栽培バナナ
「有機栽培バナナ」は、有機JAS認証をはじめ、米国のNOP(全米オーガニックプログラム)やEUの有機農業規則など、各国の認証を取得した農園で栽培された特別なバナナです。
栽培地はフィリピン・ミンダナオ島アポ山系など標高約700mの高地で、朝晩の寒暖差を活かしてじっくり約14か月かけて育てられます。



長い育成期間により、でんぷん質が豊富に蓄えられ、濃厚な甘さともっちりとした食感が生まれます。
使用する肥料は土壌に適した有機質肥料が中心です。農薬や化学肥料を使用せず、収穫後は天然地下水で丁寧に洗浄。洗浄後の水も灌漑用として再利用するなど、環境への配慮が徹底されています。
スミフル独自の「鮮度キープ輸送」と「じっくり熟成加工」により、収穫後もおいしさを最大限に引き出した状態で店頭に届けられます。
有機栽培バナナは、子どものおやつにしたい人・健康志向の人・農薬を避けたい人にオススメです。
ドール|スウィーティオ グリーンフォレスト
「スウィーティオ グリーンフォレスト」は、レインフォレスト・アライアンス(RA)が定める厳しい基準をクリアして育てられたバナナで、標高700m以上のフィリピンの高地で栽培されています。



自然の力を活かした栽培により育てられ、濃厚な甘みとフルーティーな香りが特長!
生産地では森林保全や土壌保護にも配慮した農法が導入されており、環境と共生する持続可能な取り組みが進められています。「グリーンパック」として全国の主要スーパーマーケットなどで手に入り、気軽にエシカルな選択ができる点も魅力です。
スウィーティオ グリーンフォレストは、環境意識の高い人・サステナブルな商品を選びたい人・健康的で自然な甘みを楽しみたい人にぴったりでしょう。
イオン トップバリュ グリーンアイ|ペルー産オーガニックバナナ
イオングループのプライベートブランド「トップバリュ グリーンアイ」シリーズの有機JAS認証バナナは、ペルー北部のピウラ地方にある指定農園で栽培されています。
ピウラは天候・気温・天然水などが有機栽培に最適とされる地域で、自社製の有機肥料を使った土づくりや環境保全にも力を入れています。手頃な価格で安定的に供給されるため、有機バナナを日常的に取り入れたい人にとって魅力的なバナナです。



全国のイオンやマックスバリュなどの系列店舗で購入できます。ネットスーパーも便利◎
ペルー産オーガニックバナナは、手軽にオーガニックを取り入れたい人・毎日食べるからこそ品質と価格のバランスを重視したい人にオススメです。
まとめ|バナナのバーコードと正しい知識で農薬の不安を解消しよう!


バナナのPLUコードを正しく理解すれば、その場で栽培方法(慣行栽培か有機栽培かなど)をある程度判別できます。農薬に対する漠然とした不安を軽減する一助となるでしょう。また、消費者としての選択の幅も広がり、より安心・安全な商品を選べるようになります。
バナナの農薬に対する不安解消のポイントは以下のとおりです。
- バーコードとPLUを理解すれば、その場で栽培方法がほぼ判別できる
- 迷ったら「9+4桁」「有機JAS」「フェアトレード」マークを優先する
- 残留農薬は皮むきで大幅に減らせる
この記事で紹介した知識と対策を日常的に実践し、安心しておいしいバナナを楽しみましょう。
「バナナのバーコードや農薬」でよくある質問


バナナのバーコードや農薬についてよくある質問をまとめました。
- バナナ番号のロット番号9はオーガニックですか?
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バナナのシールにある5桁のPLUコードで、先頭が「9」(例:94011)の場合はIFPS規格上、有機栽培(オーガニック)を示します。しかし、輸入時のくん蒸処理により有機JAS認証の基準から外れることも。より確実に有機栽培品を選ぶなら「有機JASマーク」の有無を確認するのが確実です。
- バナナは農薬まみれですか?
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「バナナは農薬まみれ」という心配は過度かもしれません。たしかに慣行栽培では農薬が使われることもありますが、日本に輸入されるバナナは国の検査を受け、基準値を超えるものは流通しません。さらに、農薬の多くは皮に付着しており、皮をむけばその大部分が除去されるとされています。
- バナナのPLUコードがないのはなぜですか?
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バナナにPLUコードのシールが貼られていない主な理由として、まず国産バナナには表示義務がない点が挙げられます。また、店舗でのバラ売りや量り売り、袋にJANコード等で商品情報がまとめて記載される袋詰めのバナナでは、個々のシールが省略されることがあります。業務用や加工用として流通するバナナもPLUコードがつかないのが一般的です。